研究課題
若手研究
光化学反応であるphotothrombosisを応用して、排尿中枢である前帯状皮質と大脳皮質前頭葉に脳梗塞を作成し、排尿障害モデルラットを作成した。脳梗塞1日目と7日目までは排尿間隔の短縮を確認した。14日目と28日目では排尿間隔は短縮していなかった。脳梗塞後1日目から28日目までで脳梗塞周囲の虚血領域において活性化ミクログリアと反応性アストロサイトの増加を認めた。グリア細胞が排尿障害の改善に関与した可能性が考えられた。
排尿障害
本研究で私たちはphotothrombosisを応用して新たな頻尿モデルを作成した。本モデルは、これまで汎用されてきた中大脳動脈閉塞法と比較して脳梗塞体積が小さく、生命維持に関わる脳幹を脳梗塞としないため致死がない。また、全ての個体で前帯状皮質と大脳皮質前頭葉に脳梗塞を作成でき、再現性が高い。本モデルによる頻尿は7日目まで持続し、14日目以降は改善していた。手技が簡便で致死がないこのモデルは新たな脳梗塞による頻尿モデルとして有用であり、中枢での排尿機能制御の解明に発展できると考える。