研究課題/領域番号 |
19K18570
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
阿南 剛 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (70816222)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 尿路結石 / オステオポンチン / 糖鎖 / 糖転移酵素 / 糖鎖生物学 |
研究実績の概要 |
尿路結石形成に必須とされている1つがオステオポンチン(OPN)である。これまでに、OPNが糖タンパク質であるにも関わらず、尿路結石の研究分野においてOPNの糖鎖構造の変化やその糖鎖機能と結石形成との関連についての研究はない。 現在までに、後ろ向き研究から尿路結石患者と健常者の尿中OPN濃度をELASA法で測定し、尿中OPN糖鎖をレクチンブロッティングおよびレクチンアレイにて検索した。尿路結石患者は健常者と比べ尿中OPN濃度は有意に減少した(p<0.001) 。一方、Gal3C-Sレクチン反応性OPN(ポリラクトサミン構造を有するムチン型O結合型糖鎖に修飾されたOPN, Gal3C-S-OPN)は尿路結石患者で有意に増加したことから尿路結石患者の尿中OPNの糖鎖構造変化が明らかとなった(p<0.001)。Gal3C-S-OPN とOPN濃度から尿路結石患者を感度90%、特異度92%(AUC0.953)で予測可能であった。また、前向き研究にて、尿路結石患者の手術前後の尿を採取し、尿中OPN濃度および尿中OPNの糖鎖変異を検索した。後ろ向き研究から得られたGal3C-S-OPNより尿路結石を感度90%で予測できる値をcut off値としたところ、手術後残石なし群では92.8%でGal3C-S-OPNがcut off値を下回り、手術後残石あり群では71.4%でGal3C-S-OPNがcut off値を上回った。このことから尿路結石の有無とGal3C-S-OPNが関連していることが判明し、OPNと尿路結石形成に関連するOPN糖鎖変異に関する新たな知見として、Int J Mol Sci. 2019;21(1)に報告した。 現在、尿路結石患者の前向き研究を継続し、尿中糖鎖変異OPNの解析ならびに尿中細胞および尿中エクソソームからRNAを抽出し尿中糖転移酵素の解析を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
前向き研究として尿路結石患者の治療前後の尿検体採取は順調に進んでいる。 今後は上記検体から尿中細胞および尿中エクソソームからRNAを抽出し、糖転移酵素の解析を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
尿中細胞および尿中エクソソームからRNAを抽出し、糖転移酵素解析を開始しているため、次年度に物品費として試薬などを購入する予定である。
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