東京大学医学部附属病院泌尿器科において手術を行った腎盂尿管癌200症例について手術検体を採取し、全エクソンシークエンシングによる網羅的な遺伝子変異解析、RNAシークエンシングによる網羅的な遺伝子発現解析を行った。その結果、腎盂尿管癌ではTP53遺伝子変異、FGFR3遺伝子変異、RAS遺伝子群の変異がほぼ排他的に存在し、遺伝子変異に基づいた病型分類が可能であることが明らかになった。これらの病型は、臨床的な特徴とよく相関しており、TP53遺伝子変異群は高悪性度の腫瘍が多く予後不良であったのに対し、FGFR3遺伝子変異群は低悪性度のものが多く予後良好であった。また、遺伝子発現のプロファイルにも、遺伝子変異のパターンとの強い関連が見られた。
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