研究課題
一昨年度には細径カテーテルの内腔にDiamond-like carbon (DLC) コーティングを成膜する事により、カテーテル表面への細菌バイオフィルムの形成および尿路結石の付着を抑制することを示した。昨年度には、カテーテルの内腔と外面に同時にコーティングを行う方法に改良し、特許を出願した。In vitroの実験では、メタンガスのみで成膜したDLCコーティングが、酸素ガスの付加によりカルボキシル基を導入したDLCコーティングよりも高い細菌バイオフィルム抑制効果を示すこと、バイオフィルムの抑制効果は14日間にわたって持続すること、コーティングは尿や細菌の曝露下においても、数ヶ月にわたって安定することを示した。本年度には昨年度までの研究成果の報告(第2回日本医用DLC研究会)を行うとともに、論文にまとめ英文査読雑誌(International Journal of Urology) に受理された。また、本研究での功績を認められ、令和2年度日本医用DLC研究会研究奨励賞を受賞した。ミニブタを用いたDiamond-like carbonコーティングカテーテルの留置実験では、閉塞無く21日間の留置ができ、尿道粘膜に炎症所見は認めず高い安全性が確認された。次年度の研究費の獲得に向け、科研学術変革領域BやAMEDへの申請を行った。本研究を通して、Diamond-like carbonコーティングが尿路カテーテルの医学的課題を解決する有望な技術であることが示された。
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International Journal of Urology
巻: 28(12) ページ: 1282-1289
10.1111/iju.14675.
https://www.dlc-med.org