研究課題/領域番号 |
19K18595
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
岩村 大径 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (80792332)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 新規ソフトウェア / 赤色髄 / 全身MRI / 前立腺癌 / 骨転移 |
研究実績の概要 |
2021年度はこれまでに研究を進めてきた全身MRIを用いた新たな転移性前立腺癌の治療戦略を確立するために、従来の全身MRI画像解析ソフトウェアを改良し、その有用性を評価した。具体的には、全身MRIにおける骨転移の評価において、骨転移以外の拡散強調像高信号、つまり骨転移偽陽性となる病変の除外が重要である。特に赤色髄の除外は煩雑で難しく、大きな問題となる。そこで、われわれは拡散強調像だけでなく、inphase-/opposed phase T1強調像も同時に解析する方法に着目した。そして、ソフトウェアにより自動で赤色髄を除外する新規定量化方法を開発し、有用性を検討した。検討結果として、新規ソフトウェアを用いて定量化した腫瘍量(qTV)は、既存法で定量化し、赤色髄を除外しなかった腫瘍量(hDV)より有意に低値となった。さらに、qTVは転移性ホルモン感受性前立腺癌および転移性去勢抵抗性前立腺癌において、一般的に全身の腫瘍量の評価として用いられるCHAARTED criteriaのhigh/low volumeと比較し、予後とより相関していた。以上の結果から、転移性前立腺癌において、新規ソフトウェアを用いた定量化方法が赤色髄を自動で除外可能であることと、qTVが新規バイオマーカーとなりうることを見出した。本研究成果は共同研究者の小羽田悠貴(現広島大学)によって各種学術集会で発表するとともに、現在、海外学術誌である「Radiology」に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初2021年度中の論文掲載を目標としていたが、コロナ禍の影響で研究に割ける時間が減少、さらに研究協力者との交流も不十分となり、現時点では論文投稿中であるものの掲載に至っておらず、2022年度末まで研究期間を1年延長しているため。
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今後の研究の推進方策 |
現在投稿中の論文のアクセプトを目指すとともに、今回開発した新たなソフトウェアを用いて臨床解析データを蓄積し、有用性のバリデーションを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は新規購入が必要な物品が少なかった。さらにコロナ禍により当初参加を予定していた学会や会議出席のための出張旅費を支出する機会がなくなったため。 次年度においては、追加研究により得られたデータをもとに学科発表や論文作成を行う予定である。コロナ感染症による移動制限が徐々に解除されつつあり、昨年度使用しなかった分の出張旅費の支出も見込まれる。
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