研究課題/領域番号 |
19K18596
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
加賀 勘家 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80584812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 間質性膀胱炎 / 膀胱痛症候群 / 転写因子 / 定量RT-PCR |
研究実績の概要 |
本研究の主目的は、間質性膀胱炎の発症に関わる尿路上皮内の転写因子を同定することである。これは、指定難病である間質性膀胱炎の発症メカニズムの解明に貢献し、転写因子を用いた診断方法や遺伝子治療の開発につながる可能性が期待される。 本研究遂行のため、40例の間質性膀胱炎患者(間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診療ガイドラインより、非ハンナ型間質性膀胱炎は膀胱痛症候群の表記となったため、本研究には膀胱痛症候群を含む)の膀胱組織生検を予定し、生検組織を用いた転写因子の絞り込みと、実験動物を用いた機能阻害実験の二段階の研究を策定している。 本年度は研究実施計画に従い、7例の間質性膀胱炎患者より膀胱組織生検(1症例3検体採取)を行い、昨年度と合わせ22例66検体を採取した。RT-PCRを随時進め、昨年度よりもハンナ型間質性膀胱炎と膀胱痛症候群(非ハンナ型間質性膀胱炎)で発現量が異なる転写因子の絞り込みが進んだ。そして、検証の段階に入っている。 また、海外の研究グループから機械学習を使用した尿中代謝産物の分類による間質性膀胱炎の診断への応用についての報告(Feng Tong et al. Bladder. Vol.7, 2020)が出てきたため、最新の知見と新たなる視点を取り入れながら、間質性膀胱炎の発症に関わる転写因子の解析を進めたい。 コロナ禍の影響で昨年度の半数程度の膀胱組織生検数となったため、次年度も引き続き間質性膀胱炎の検体採取を行いつつ、解析の精度を向上させ、効率的に研究を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で症例の蓄積が昨年度に比べ遅れているが、次年度も引き続き症例を増やしながら、定量RT-PCRと統計解析を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、間質性膀胱炎症例の膀胱組織生検を行い、症例数を増やして解析の精度を高めたい。そして、統計解析よりハンナ型間質性膀胱炎と膀胱痛症候群(非ハンナ型間質性膀胱炎)の相違点の評価や間質性膀胱炎の発生に関わる転写因子カスケードの推定を進める方針である。
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