研究課題/領域番号 |
19K18596
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
加賀 勘家 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80584812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 間質性膀胱炎 / 膀胱痛症候群 / 転写因子 / 定量RT-PCR |
研究実績の概要 |
本研究の主目的は、間質性膀胱炎の発症に関わる尿路上皮内の転写因子を同定することである。これは、指定難病である間質性膀胱炎の発症メカニズムの解明に貢献し、転写因子を用いた診断方法や遺伝子治療の開発につながる可能性が期待される。 本研究遂行のため、合計40例の間質性膀胱炎患者(間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診断ガイドラインより、非ハンナ型間質性膀胱炎は膀胱痛症候群の表記となったため、本研究には膀胱痛症候群を含む)の膀胱組織生検を予定し、生検組織を用いた転写因子の絞り込みと実験動物を用いた機能阻害実験の二段階の研究を策定している。 本年度も研究実施計画に従い、昨年度と合わせて34例102検体を採取した。定量RT-PCRを随時行い、その結果を用いて主成分分析を行った。次元削断により得られた第2軸には尿路上皮幹細胞・前駆細胞特異的な転写因子(例えば、TP63は尿路上皮幹細胞のマーカー、FOXA1は膀胱発生に関わる前駆細胞マーカー)、第4軸には尿路上皮内の局在と関係すると考えられる転写因子(例えば、KRTは基底細胞のマーカー、UPKは尿路上皮のマーカー)が含まれていた。この第2軸と第4軸を用いて間質性膀胱炎の病型分類を試みた。 教師付き機械学習の決定木を用いて、KRT20、BATF、TP63が間質性膀胱炎のハンナ型のハンナ病変部とその周辺部、非ハンナ型(膀胱痛症候群)を分類する重要な転写因子であることが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で症例の蓄積が引き続き遅れているが、最終年度はこれまでの結果をまとめて報告したいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のため症例の蓄積が進まず多くの時間を費やした。当初予定した患者数には達しなかったが、まずまずの研究成果を得ている。 最終年度のため、ラットを用いた機能阻害実験の実施は研究結果をまとめる時点までを想定すると難しい可能性がある。 今年度はこれまでに得られた知見をまとめ、間質性膀胱炎の病態解明の一助となるような報告をしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析などのための消耗品の費用が値引き交渉により抑えられたため、次年度使用が生じた。これは次年度の学会発表に関わる費用や論文作成費に用いる予定である。
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