当初予定していた、下肢ギプス固定による筋肉減弱モデルでは、筋肉量は減少するものの付随して発症を予測した膀胱機能異常を見いだせなかった。 モデル作成手段を変更し、過去に報告のある高脂肪高ショ糖食による骨格筋減弱モデルを使用した。 正常食群と比較して、有意な体重減少とともに腓腹筋の重量低下を認めた。 膀胱組織のオーガンバスによる膀胱の収縮性実験では電気刺激、カルバコール刺激およびKCl刺激のいずれにおいても正常ラット群と比較してその収縮力の低下を認めた。 覚醒下の膀胱内圧測定においては排尿効率や残尿量に正常ラット群との間に差を認めなかったが、排尿筋圧の有意な低下を認めた。 これらのことより、高脂肪高ショ糖食によって下肢骨格筋減弱を認め、それとともに膀胱収縮力の低下や排尿筋圧の低下を認めた。よって骨格筋減弱と膀胱低活動との間に有意な関連があると考えられた。
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