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2019 年度 実施状況報告書

膀胱拡大術に対する羊膜上皮細胞と脂肪由来幹細胞を用いた機能的膀胱の再生

研究課題

研究課題/領域番号 19K18608
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

堀井 常人  滋賀医科大学, 医学部, 技術補佐員 (70838458)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード泌尿器科学 / 膀胱再生 / バイオマテリアル / 羊膜 / 脂肪由来幹細胞
研究実績の概要

本研究では、腸管を利用しない膀胱再建さらには、他臓器を犠牲にしない再生方法を目指し、尿路上皮層と筋層を持ち、正常の膀胱構造と排尿機能的にも良好な膀胱を、抗瘢痕効果のある羊膜上皮細胞と尿路平滑筋分化能を有する脂肪由来幹細胞(ADSCs)を播種した生体吸収性の足場材料で再生することを目的としている。
本年度は、2層性の生体吸収性足場材料の作製、羊膜上皮細胞、脂肪由来幹細胞の分離・培養を行った。2層性の足場材料は、エレクトロスピニング法を用いて、ポリ乳酸とカプロラクタム重合体(P(LA/CL))を約5cm四方の大きさで上皮層をより繊維間隔を細かく、また、外層をより繊維間隔が広い材料になるよう作製した。羊膜上皮細胞は、取り出した羊膜をスクレーパーで上皮を剥がした後に、洗浄し培養を行った。脂肪由来幹細胞(ADSCs)は、ウサギの鼠頸部より、脂肪組織を取りだし、コラゲナーゼやトリプシン等の酵素処理を施した後、間葉系幹細胞培養培地で培養を行った。この脂肪由来幹細胞をフローサイトメトリーにて表面抗原の分析を行った結果、間葉系幹細胞マーカーであるCD29, CD90が陽性で、CD11b、CD31、CD45が陰性であった。
今後の研究では、これらの細胞を2層性足場材料上に播種し、ウサギの腹腔内で3週間熟成させた後に、膀胱上部を半切除したウサギにこの材料を貼付縫合し、予後1年までの経過観察を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、腸管を利用しない膀胱再建さらには、他臓器を犠牲にしない再生方法を目指し、尿路上皮層と筋層を持ち、正常の膀胱構造と排尿機能的にも良好な膀胱を、抗瘢痕効果のある羊膜上皮細胞と尿路平滑筋分化能を有する脂肪由来幹細胞(ADSCs)を播種した生体吸収性の足場材料で再生することを目的としている。
本年度は、2層性の足場材料の作製、羊膜上皮細胞、脂肪由来幹細胞の分離・培養を行った。2層性の足場材料は、エレクトロスピニング法を用いて、ポリ乳酸とカプロラクタム重合体(P(LA/CL))を約5cm四方の大きさで上皮層をより繊維間隔を細かく、また、外層をより繊維間隔が広い材料になるよう作製した。羊膜上皮細胞は、取り出した羊膜をスクレーパーで上皮を剥がした後に、培養を行った。脂肪由来幹細胞は、ウサギの鼠頸部より、脂肪組織を取りだし、酵素処理を施し、培養を行った。この脂肪由来幹細胞フローサイトメトリーを行った結果、間葉系幹細胞マーカーであるCD29, CD90が陽性で、CD11b、CD31、CD45が陰性であった。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、これら細胞を2層性足場材料上に播種し、ウサギ腹腔内で3週間熟成させた後に、膀胱上部半切除したウサギにこの材料を貼付縫合し、予後1年までの経過観察を行う予定である。経過観察では、1,3,6,12ヶ月後にX線膀胱造影検査を行い、膀胱形態と蠕動運動、合併症の有無の確認を行う。最長12ヶ月後にウサギを犠牲死せしめ、膀胱の筋収縮力検査及び、膀胱上皮と筋層形成を確認するための組織学的評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由としては、追加で動物実験試薬購入をする予定をしていたが、納品が次年度となるため、その分が残っている。次年度に動物実験に必要な試薬購入をする予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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