研究課題/領域番号 |
19K18609
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 倫央 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (40759528)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | LPS / TLR4 / 頻尿 |
研究実績の概要 |
我々は先行研究において、大腸菌の外膜成分であるLPSをマウスに膀胱還流すると、膀胱に炎症性変化を誘導せずに頻尿をきたすことを発見したが、その頻尿のメカニズムは明らかでない。LPSの受容体はToll-like receptor4(TLR4)であることが明らかにされており、TLR4がこの頻尿のメカニズムに関与している可能性がある。そこで、まずはマウス膀胱におけるTLR4の発現解析を免疫組織学的手法を用いて行った。その結果、蛍光免疫染色にてTLR4はマウス膀胱の内腔側である尿路上皮に発現していた。さらに詳細に検討した結果、TLR4は尿路上皮の中でも最内腔側であるumbrella cellに発現していることを明らかにした。さらに、この結果を検証するためにTLR4のノックアウトマウスの膀胱組織を用いて検証したところ、umbrella cellにTLR4の発現は認めなかった。この結果から、膀胱尿路上皮のumbrella cellは、膀胱内腔に存在する大腸菌LPSを感知し、なんらかの作用を有している可能性が示唆された。 そこで、TLR4がLPSの膀胱還流によって生じる頻尿に関与しているかどうかを検証するために、LPSと同時にTLR4のアンタゴニストを膀胱還流し、排尿機能評価を行った。LPS単独膀胱還流群では排尿間隔は有意に短縮したが、LPSとTLR4のアンタゴニストを同時に膀胱還流した群では、排尿間隔の短縮はLPS単独投与群と比較し有意に減弱していた。この結果から、膀胱尿路上皮のumbrella cellに発現しているTLR4は、LPSによって誘導される頻尿に関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点では、本研究は予定通りおおむね順調に進展している。実験計画①LPSの受容体であるTLR4のマウス膀胱における発現解析は検証を含め予定通り終了した。続いて②TLR4のアンタゴニストを用いたLPS膀胱還流の排尿機能解析を施行中である。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、本研究はおおむね順調に進展している。引き続き、予定していた研究を継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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