進行性尿路上皮癌におけるDNA修復異常に注目し、放射線治療・アンドロゲン遮断療法・PARP阻害剤の併用が治療に結びつくか検証を行った。Western blot法にて5637膀胱がん細胞株にARが発現していることを確認した。次にWST assay法を用いてOlaparibの殺細胞効果を評価した。5637膀胱癌細胞株を①Control、②Hydroxyl flutamide単独、③Olaparib単独、④Hydroxyl flutamide+Olaparib併用の4群に分け、 2日後にRTxあり/なし群に分け2Gy照射した。RTxから7日後にWST assayを行った。AR阻害剤単独とPARP-1阻害剤単独での放射線増強効果は得られたが併用では単剤と比べて殺細胞効果に有意差が認められなかった。その原因としてARシグナルとPARP-1との関連がPCR法で認められたため、AR阻害剤投与時にPARP-1の発現も低下させてしまうことが考えられた。さらにPARP-1以外のターゲットを探すために放射線抵抗株の樹立を目指している。
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