泌尿器がんでの恒常的DNAダメージ負荷を利用した新規治療戦略の開発

2021 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19K18624
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分56030:泌尿器科学関連
• 研究機関: 大阪医科薬科大学
• 研究代表者: 小村 和正 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10789853)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: 泌尿器がん / DNAダメージ

研究成果の概要

今回、我々は同一患者から得られた一対の臨床膀胱がんBCサンプル（治療歴のない腫瘍と化学療法CRT再発腫瘍）の包括的proteomic解析により、CRT再発腫瘍のBUB1B/BUBR1発現量の異常が、IRとシスプラチンに反応して変異原性NHEJ活動を促進し、腫瘍に蓄積した変異を有することを明らかにした。また、BUB1B/BUBR1高発現のある腫瘍では、DSB発生時にATMとの相互作用があることを明らかにし、ATM阻害薬が有効である可能性を明らかにした。

自由記述の分野

尿路上皮がん

研究成果の学術的意義や社会的意義

現在国内で行われているゲノム医療の普及促進の一つの課題として、解析後のアウトプットとなる臨床治験を含む治療選択肢の拡充が挙げられると申請者らは考えている。癌治療、研究において特定のKey Moleculeによる多彩な形質変化を明らかにすることは、患者様の発現差異による層別化を可能にし、さらにその変化に伴う治療ターゲットの発見がテーラーメード医療を可能にする。本研究においても治療効果予測因子であるバイオマーカーを明らかにすることにより、より精度が高く、Precision Medicineへの発展を目指すとともに、ゲノム医療で加療選択され得る治療オプションの一つとなる可能性を明らかにする。