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2019 年度 実施状況報告書

精子エピゲノム多様性にもとづいた子孫の疾患素因の分画

研究課題

研究課題/領域番号 19K18627
研究機関東北大学

研究代表者

木村 龍一  東北大学, 医学系研究科, 助教 (00781759)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード精子 / DNAメチル化 / ヒストン修飾
研究実績の概要

本年度は、まず精子エピゲノムを可視化するために免疫染色により精子頭部に存在するヒストンタンパク質およびそのメチル化修飾を検出することを試みた。マウス精巣上体尾部より成熟精子を絞り出し、細胞数を計測した後に一定細胞数をスライドグラス上に塗抹し乾燥させた。この塗抹標本を用いてヒストンH3の免疫染色をおこなったところ、特異的な染色は確認されなかった。精子頭部はプロタミンによって高度に凝縮しており、これによって通常の細胞透過処理程度では抗体が内部に浸透しないことが考えられたため、マウス精子を脱凝集した後に免疫染色をおこなう実験条件を検討した。そこで先行研究(Yoshida et al., 2018; Yamaguchi et al., 2018)で用いられている実験条件を参考に、先に精子を脱凝縮させた後に塗抹標本を作製する方法および塗抹標本を作製した後に脱凝縮をおこなう方法の2つの実験手順を試し、免疫染色への影響を比較した。その結果、どちらの実験手順でもヒストンH3を検出することができたが、様々なH3メチル化修飾に対する免疫染色では塗抹標本の方がより多くの抗体について染色を確認することができた。また、脱凝縮後の形状については先に脱凝縮する手順のほうが良く保たれており、実験手順に一長一短あることが分かった。そこで現在精子の形状が保たれつつより多くのヒストン修飾を検出できるような実験条件を検討している。また、本年度は精子の免疫蛍光染色像から精子エピゲノム多様性の解析をおこなうために、深層学習を主とする機械学習手法の開発・実装に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

精子の脱凝縮法と免疫染色法が確立しつつある。画像解析手法の開発・構築については精子の自動検出まで成功している。

今後の研究の推進方策

精子の脱凝集反応の条件をさらに検討し、より多くのヒストン修飾を検出できるようにする。また、画像解析手法の開発をさらに進め、クラスタ解析等の統計解析手法を実装を目指す。さらに、免疫染色に依らないエピゲノム検出プローブの探索にも着手する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Comprehensive histochemical profiles of histone modification in male germline cells during meiosis and spermiogenesis: Comparison of young and aged testes in mice2020

    • 著者名/発表者名
      Tatehana M, Kimura R, Mochizuki K, Inada H, Osumi N
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: eCollection 2020 ページ: 15(4):e0230930

    • DOI

      https://doi.org/10.1371/journal.pone.0230930

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Paternal aging affects to phenotypes of offspring through inheritance of hypomethylated DNA elicited in NRSF/REST binding site2019

    • 著者名/発表者名
      Kimura R., Yoshizaki K., Kikkawa T., Mai L., Oki S., Mochizuki K., Kobayashi H., Inada H., Matsui Y., Kono T., Osumi N.
    • 学会等名
      14th Asia Epigenome Meeting (AEM) / 3rd Taipei Epigenetics and Chromatin Meeting (TECM)
    • 国際学会
  • [学会発表] Paternal aging affects to offspring’s behavior and gene expression possibly through inheritance of hypomethylated DNA elicited in NRSF/REST binding site2019

    • 著者名/発表者名
      Kimura R., Yoshizaki K., Kikkawa T., Mai L., Oki S., Mochizuki K., Kobayashi H., Inada H., Matsui Y., Kono T., Osumi N.
    • 学会等名
      International Symposium on Epigenome 2019
    • 国際学会
  • [図書] 遺伝子医学 31号「エピゲノムの経世代影響」2019

    • 著者名/発表者名
      木村 龍一, 吉崎 嘉一, 大隅 典子
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      株式会社 メディカルドゥ
    • ISBN
      978-4-909508-05-8
  • [図書] 医学のあゆみ 268巻3号 「自閉スペクトラム症発症リスクとエピジェネティクス」2019

    • 著者名/発表者名
      木村 龍一, 稲田 仁, 大隅 典子
    • 総ページ数
      70
    • 出版者
      医歯薬出版株式会社

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公開日: 2021-01-27  

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