研究課題
若手研究
今回の研究では、閉経後メタボリック症候群をテーマとした。用いたマウスモデルは今まで報告のある卵巣摘出によるものではなく、VCD投与によって徐々に卵巣機能の低下が起こる自然閉経に最も近いモデルであった。このモデルを活用して、閉経後にメタボリック症候群の基盤病態である内臓脂肪細胞の肥大化が起こる時期とその経時変化、またその経時的なエストロゲン濃度を明らかにした。
閉経とメタボリック症候群
本研究の新規性は、卵巣摘出によらない自然閉経に近い閉経モデルマウスを用いて、閉経後メタボリック症候群の研究に着手した点である。今までは卵巣摘出による閉経マウスモデルしかなく、自然閉経にある周閉経期を再現できるマウスモデルはなかった。本研究でVCDマウスモデルは閉経後の経時変化を脂肪細胞で検討できることを明らかにし、またその経時的変化と血中エストラジオール濃度は相関しないことも明らかにした。今後の閉経後メタボリック症候群についての研究の発展に寄与できる可能性がある。