研究課題
若手研究
胚が子宮内膜に浸潤する過程である胚浸潤の機構はこれまで明らかでなかった。本研究では胚浸潤に焦点をあて、COX2の子宮特異的ノックアウトマウスを用いて解析を行った。COX2がプロスタグランジンを介して胚浸潤をコントロールしていることを明らかにした。さらに、COX2が誘導するプロスタグランジンが、栄養膜細胞の浸潤能を高め、脱落膜化を促進して胚浸潤を調節していることを明らかにした。本研究により、胚浸潤の過程を調節している子宮因子としてCOX2が存在することが解明できた。
産婦人科学
本研究では、子宮特異的なCOX2欠損マウスを用いることでこれまでのマウスモデルの欠点を克服し、着床をコントロールしているCOX2による子宮の脂質機能調節機構の詳細を明らかにした。胚が子宮内膜に着床する過程、特に胚が子宮内膜に浸潤していく過程とそれに関わる脂肪酸をin vivoで解析することを通して、胚浸潤という現象を脂質生化学的に理解することができた。将来的には着床障害の診断治療への応用に繋がる成果が得られた。