昨年度に引き続き今年度もコロナ禍が持続し、検体収集が困難な状況が持続した。当院のバイオバンクが外来患者の検体収集に対応しないことから、今年度は患者検体を集積することはできなかった。今年度は将来的な解析のために、昨年に引き続き過去文献および新規に発表された文献の検索を行い、多嚢胞性卵巣症候群の疾患関連遺伝子を検索するとともに、排卵や単一卵胞発育に関わる遺伝子群、ステロイド代謝異常、アンドロゲン合成異常やインスリン抵抗性などの疾患特異的な病態に関わる遺伝子を吟味・抽出、アップデートを継続した。これらの遺伝子および変異の解析対象としての妥当性は過去文献での検討やデータベースの参照、in silico解析を用いて行った。 また以前より蓄積してある多嚢胞卵巣症候群患者の血清、DNAと臨床症状のデータをもとに、多嚢胞性卵巣症候群患者における遺伝学的特徴を明らかにするための新たな解析の準備を行った。しかし、今年度末の時点で外来患者からの検体をバイオバンクに保管可能になる目途が立たなかったため、研究期間は延長しないこととした。
|