妊娠高血圧症候群を発症した母から生まれた児は、将来様々な疾患のリスクが高いことが知られている。本研究ではモデル動物を用いて、母体の「異常炎症」が児の将来の心血管障害・糖尿病の発症機序の一つであること、またそれが次世代へ影響しうることを明らかにした。本研究は、母体の「異常炎症」を抑える治療を行うことで、児の長期的な予後の改善につながる可能性を示唆している。また、新生児の頭部MRI画像を用いることで神経学的後障害のハイリスク児を早期に抽出することができる可能性がある。これらの観点から、本研究により周産期・新生児医療における重要な知見が得られたと考える。
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