胎児発育不全(FGR)は、胎児発育が抑制され低体重で出生するため、新生児死亡率、脳性麻痺の発症率は増加する。更に、将来的な広汎性発達障害、生活習慣病のハイリスク群となることが判明しているが、胎児発育を促進させるための治療法がないのが現状である。これまでに、タダラフィルはFGRに対する胎内治療薬として有効である可能性を基礎研究、臨床試験によって示してきた。FGRに対する胎内治療の実現は、FGRで出生した新生児の様々な合併症を減らし、少子化により減少する出生児への質の高い安全を提供する社会的意義がある。本研究は、FGRに対するタダラフィルの作用機序の1つを解明したことに学術的意義を持つ。
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