本研究では、母乳分泌不全症例の遺伝子多型についてPRL経路を中心に解析し、母乳分泌不全の原因遺伝子を明らかにすることを目的とした。乳汁分泌が全くみられなかった症例 10 例と生殖内分泌外来に受診した原因不明の高プロラクチン血症患者のプロラクチン受容体遺伝子をダイレクトシーケンス法によって解析した結果、PRLRのExon上には乳汁分泌と関連すると考えられる遺伝子多型は同定できなかった。一方、哺乳期間が短い健常者のGWAS解析では、表現型と関連が推定されるPRLRの非翻訳領域のSNPsを4カ所とPRLR以外の2つの遺伝子を同定した。
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