研究課題
若手研究
糖尿病のない妊婦では妊娠初期から中期にかけて安静時代謝量は変化せず、後期に増加し、産後に元に戻るのに対して、糖尿病のある妊婦では、治療を行うことによって妊娠後期の増加が抑制され、全期間を通して一定であった。また糖尿病のある妊婦では、安静時代謝量が多いほど周産期合併症の頻度が高いことを発見した。血糖コントロールが不良であるほど安静時代謝量は高値であった。母体除脂肪量と出生児体重は正の相関を示し、巨大児予測の一助となる可能性が示唆された。
周産期医学
糖代謝正常妊婦では、妊娠前期、中期、後期にエネルギー付加量を増加させる栄養指導が従来の指針などで示されているが、本研究結果からは、後期のみに付加量を増加させる栄養管理が妥当と考えられた。糖代謝異常妊婦では、適切な血糖コントロールとともに、妊娠産褥期間を通して一律の栄養指導が妥当と考えられた。周産期合併症を抑制するには、適切なエネルギー管理が極めて有用であることを示す重要な結果である。エビデンスに基づく合理的な実用栄養管理を創ることで、安心安全な周産期医療に貢献する成果である。