若年がん患者が妊孕性温存を検討する際、どの程度性腺毒性があるかという情報が重要となるが、新規抗がん剤、特に分子標的薬の場合は、性腺毒性が不明なものが多く、妊孕性温存をすべきか苦慮することが多い。今回我々は、慢性骨髄性白血病治療薬であるイマチニブと、PARP阻害薬であるオラパリブの卵巣毒性について調査した。両薬剤とも、顆粒膜細胞への悪影響により、卵巣機能を低下させる可能性が示唆された。しかし、休薬期間により悪影響は相殺された。イマチニブは、長期的な内服が必要な薬剤であり、卵巣予備能低下を来す可能性があるため、妊孕性温存を検討することにも意義があると考えられた。
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