研究課題/領域番号 |
19K18684
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
村上 幸祐 近畿大学, 医学部, 助教 (60734671)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 卵巣明細胞癌 / マウスモデル |
研究実績の概要 |
2019年度は、近交系ARID1A-PIK3CA共変異マウスを確立するために、C57BL/6マウスの戻し交配を進めることを中心に研究を行った。 具体的には、米国の研究グループからCre/loxPシステムを用いたコンディショナルなARID1A-PIK3CA変異を有する雑系CD-1マウスの精子の移譲を受け、雌のC57BL/6マウスから採卵し体外受精を行って胚移植し、第1世代の出生までを2018年度に行っていたため、そこから引き続き戻し交配を進めた。特に大きなトラブルなく順調に進めることができ、2019年度末の時点で第7世代の出生までを終えた。また、戻し交配にある程度時間がかかってしまうため、ARID1A-PIK3CAともにヘテロの遺伝子変異を有する第4世代同士を交配させ、ARID1A変異をhomo化させた発癌マウスの作成を行った。まだ個体数が十分に確保できておらず、現在個体数を増やすべく、交配を繰り返しているところである。実際にウイルスを投与して発癌させるには至っていないが、個体数を確保でき次第投与できるよう準備を進めた。 また、Cre発現アデノウイルスを入手したため、Cre/loxPシステムによるコンディショナル蛍光発現マウス(GFP/RFP)を用いて、実際に卵巣に顕微鏡下でウイルスを投与し、卵巣に蛍光が生じることを確認した。したがって、手技およびCre発現アデノウイルスの機能については問題ないことが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は戻し交配を進めることが当初の予定であったため、概ね順調に進行できていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き戻し交配を進め、当初の研究計画通り、最低第8世代まで進め、近交系化を完成させる。さらに、第4世代同士の交配で作成したマウスについて、Cre発現アデノウイルスを投与して発癌させ、腫瘍を採取して病理学的に確認するとともに、免疫応答についてフローサイトメトリーを用いて調べる。可能であれば抗体薬の投与による変化も調べたい。 また、最近卵巣明細胞癌とAPOBECタンパクおよび腫瘍免疫との関係性が示唆されつつあるが、動物モデルが存在しないためin vivoでの検討は全く行われていない。我々のマウスモデルを用いて卵巣明細胞癌とAPOBECおよび腫瘍免疫の関係を調べる。さらに近畿大学医学部免疫学教室はもともとC57BL/6のAPOBECノックアウトマウスを有していたため、準備すれば使用できる状態である。我々の作成した卵巣明細胞癌マウスモデルと交配させることにより、APOBECが卵巣明細胞癌に及ぼす影響について調べることができる。
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