研究課題
若手研究
本研究では、Arid1aflox/flox;(Gt)Rosa26Pik3ca*H1047Rの遺伝子共変異をC57BL/6マウスに組み込み、近交系卵巣明細胞癌マウスモデルを樹立した。このマウスに対し、抗IL-6抗体および抗PD-L1抗体の単独の投与では有意な生存の延長を認めたが、一方で、併用療法では相加効果を認めないことを確認した。また、抗IL-6抗体を投与したマウスでは、腫瘍局所にTregが誘導されていることがわかった。さらにIL-17A投与により、局所の腫瘍免疫が活性化するこ とがわかった。
婦人科腫瘍学
これまでの臨床試験データからは卵巣明細胞癌には免疫療法が奏功する可能性が示唆されているが、免疫応答 をin vivoで研究する動物モデルが存在しないため、その詳細については不明であった。本研究で樹立したマウスモデルは、OCCCにおける腫瘍免疫の解明に大いに役に立つと考えられる。また、抗体薬やサイトカイン投与によって得られた腫瘍免疫応答のデータは、卵巣明細胞癌に対する新たな治療法開発のベースになる。