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2020 年度 実施状況報告書

子宮内膜症関連卵巣癌としての明細胞癌におけるIL-24の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K18706
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

岩佐 尚美  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (10627152)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード卵巣癌 / 子宮内膜症
研究実績の概要

明細胞癌腫瘍内容液4検体を不死化卵巣表層上皮細胞株(HOSE-1c)培養液中に添加し、添加前後のトランスクリプトーム(SurePrint G3 Human GE マイクロアレイ 8x60K Agilent)を比較したところ、添加48時間後に発現低下が認められた遺伝子はDLX3 Fold change (FC) -28.538, LINC00375 FC -24.526, CHGB FC -19.439, MC4R FC -11.277であった。卵巣内膜症の嚢腫内容液をHOSE-1cに添加した場合IL24の発現を著明に上昇させることを昨年度に示したが、HOSE-1cにDLX3をノックダウンしたところ、2種類のDLX3 siRNAはいずれもIL24の発現を上昇させた。従ってDLX3の発現低下がIL24の発現を上昇させている可能性が考えられた。正常卵巣を用いてDLX3の発現を蛍光免疫染色で確認したところ、正常の卵巣表層上皮においてはDLX3の発現は認められず、間質においてはDLX3の発現が認められた。したがって卵巣表層上皮からの内膜症形成、発癌のメカニズムにおいてはDLX3が寄与している可能性は低いと考えられた。IL24がIL6-STAT3経路を活性化させることが明細胞癌の癌化に寄与している可能性を考え、リコンビナントのIL24をHOSE-1cに添加したところIL6およびSTAT3は変化を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

IL24はこれまでの研究結果からは発癌に関与している可能性が得られていない。内膜症内容液添加により著明にIL24発現上昇が認められるが、内因性のSTING経路など免疫応答の結果をみている可能性がある。

今後の研究の推進方策

IL24は様々な癌においてがん抑制遺伝子として働くことが知られているが、IL24ノックアウトマウスは炎症反応が正常におきないことも報告されている。炎症がおきなければ発がんも抑制できる可能性があり、今後は臨床サンプルをもちいてIL24のレセプターとT細胞浸潤との関係を明細胞癌、子宮内膜症で明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

IL24レセプターとT細胞の臨床検体を用いた免疫染色の予定がずれこんだため、次年度に免疫染色をあわせて行う予定としている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 子宮頸部明細胞癌と子宮体部類内膜癌の重複癌の一例2020

    • 著者名/発表者名
      岩佐尚美, 倉橋崇, 小塙理人, 藤岡陽子, 和田美智子, 樋野牧子, 服部純尚, 中川博之
    • 雑誌名

      埼玉産科婦人科学会雑誌

      巻: 50 (2) ページ: 126-130

    • 査読あり
  • [学会発表] 進行卵巣癌に対する術前化学療法としてのdose-dense TC+Bevacizumab療法の忍容性に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      岩佐 尚美, 野村 弘行, 片岡 史夫, 千代田 達幸, 山上 亘, 田中 守, 青木 大輔
    • 学会等名
      第72回日本産科婦人科学会学術講演会
  • [学会発表] 乳癌の卵巣転移が疑われたが審査腹腔鏡で卵巣癌の診断に至った一例2020

    • 著者名/発表者名
      落合大輔, 岩佐尚美, 竹内 啓, 平田 桃, 藤麻眞理子. 白根照見, 松田亜季, 世良亜沙子, 坂井健良, 福武麻里絵, 境 委美, 藤岡陽子, 和田美智子, 樋野牧子, 服部純尚, 倉橋 崇, 中川 博之
    • 学会等名
      第60回日本産科婦人科内視鏡学会

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公開日: 2021-12-27  

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