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2022 年度 実績報告書

子宮内膜症関連卵巣癌としての明細胞癌におけるIL-24の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K18706
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

岩佐 尚美  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10627152)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード卵巣癌 / 子宮内膜症
研究実績の概要

明細胞癌の内容液中エクソソームを不死化卵巣表層上皮細胞(HOSE)の培養液に添加し経時的にマイクロアレイ解析を行うことにより、インターロイキン24(IL-24)のメッセンジャーRNA(mRNA)が早期にHOSEにとりこまれることがわかったため、本研究ではIL-24の子宮内膜症関連卵巣癌発生への役割について明らかにすべく研究を行った。
明細胞癌腫瘍内容液4検体を不死化卵巣表層上皮細胞株(HOSE-1c)培養液中に添加し、添加前後のトランスクリプトームを比較したところ、添加48時間後に発現低下が認められた遺伝子はDLX3、LINC00375、CHGB、MC4Rであった。卵巣内膜症の嚢腫内容液をHOSE-1cに添加した場合IL-24の発現が著明に上昇することを示したが、HOSE-1cにDLX3をノックダウンしたところ、2種類のDLX3 siRNAはいずれもIL24の発現を上昇させた。したがってDLX3の発現低下がIL-24の発現を上昇させている可能性が考えられた。正常卵巣を用いてDLX3の発現を蛍光免疫染色で確認したところ、正常の卵巣表層上皮においてはDLX3の発現は認められず、間質においてはDLX3の発現が認められた。したがって卵巣表層上皮からの内膜症形成、発癌のメカニズムにおいてはDLX3が寄与している可能性は低いと考えられた。次にIL-24がIL6-STAT3経路を活性化させることが明細胞癌の癌化に寄与している可能性を考え、リコンビナントのIL-24をHOSE-1cに添加したところIL6およびSTAT3は変化を認めなかった。IL-24が発癌に関与している可能性が得られなかったため、IL-24受容体の発現解析を行った。卵巣漿液性癌と明細胞癌のトランスクリプトームを解析し、IL-20R1、IL-20R2、IL-22R1の発現は漿液性癌に対し明細胞癌における上昇を認めなかった。IL-24は内膜症内容液の投与で発現上昇が認められるものの、発がんへの明らかな関与は現在のところ認めていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Prospective feasibility study of neoadjuvant dose-dense paclitaxel plus carboplatin with bevacizumab therapy followed by interval debulking surgery for advanced ovarian, fallopian tube, and primary peritoneal cancer patients2022

    • 著者名/発表者名
      Iwasa-Inoue Naomi、Nomura Hiroyuki、Kataoka Fumio、Chiyoda Tatsuyuki、Yoshihama Tomoko、Nanki Yoshiko、Sakai Kensuke、Kobayashi Yusuke、Yamagami Wataru、Morisada Tohru、Hirasawa Akira、Aoki Daisuke
    • 雑誌名

      International Journal of Clinical Oncology

      巻: 27 ページ: 441~447

    • DOI

      10.1007/s10147-021-02050-3

    • 査読あり
  • [学会発表] 進行卵巣癌の審査腹腔鏡における検体量に関しての検討2022

    • 著者名/発表者名
      福田 崇晃、井上 尚美、波多江 健五、三浦 瑠衣子、高橋 華子、白根 照見、松田 亜季、世良 亜紗子、河村 佑、大野 晴子、福武 麻里絵、境 委美、藤岡 陽子、和田 美智子、樋野 牧子、服部 純尚、倉橋 崇
    • 学会等名
      第62回日本産科婦人科内視鏡学会

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公開日: 2023-12-25  

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