近年ミトコンドリア蛋白であるMGARPが、ステロイドホルモン産生細胞の機能に積極的に関与していることを示す報告が集積されてきたが、これらの細胞の生存性維持へのMGARPの関与については知られていない。また神経細胞では低酸素下でMGARP発現が正に調節されるが、ステロイドホルモン産生細胞ではこの調節は未検討である。本研究により、MGARPがステロイドホルモン産生細胞の細胞生存性維持に関与し、またMGARP発現は低酸素誘導性転写因子HIF-1の制御下にあることが示唆された。細胞生存性維持におけるMGARPの詳細な役割や、HIF-1によるMGARP発現調節機序については、さらに検討を要する。
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