HPV陰性癌とHPV多重感染癌の実態調査のために、HPV陰性癌とされた16症例と多重型HPV感染癌の9症例をマクロダイゼクションと発癌に必須な新規PCR法で解析を行った。その結果、すべての多重型感染の原因HPVを特定した。また、HPV陰性癌の約半数はHPVが陽性であった。結果の乖離を認めた症例ではE1、E2遺伝子が部分あるいは全欠失しており、これらの症例ではHPV-DNAが高頻度にインテグレーションしている可能性が示唆された。インテグレート型HPVはエピソーマル型と比べてDNAのコピー数が少ないことがわかっており、乖離の原因としてはHPV検出アッセイの検出感度が関係していると考えられた。
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