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2020 年度 実績報告書

がんゲノムに基づく新たな卵巣がん薬剤感受性バイオマーカー探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K18713
研究機関近畿大学

研究代表者

高矢 寿光  近畿大学, 医学部, 講師 (60734689)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード卵巣癌 / HRD / BRCA1
研究実績の概要

令和元年度に抽出した卵巣高異型度漿液性癌(HGSOC)の自験例9例のSNPアレイデータを用いてGISTICによる全ゲノムコピー数解析を行い、化学療法前後におけるコピー数異常の変化について検討した。その結果、化学療法後の検体では8q23、8q24、および15q24の染色体領域において有意にコピー数増加が認められ、特に15q24領域のコピー数増加は化学療法前には認められていなかった。この染色体領域にはMYC、PVT-1、PSCA、TNFRSF11Bといった腫瘍関連遺伝子が存在し、これらの遺伝子の増幅は予後不良因子として報告されているものであり、これらの遺伝子増幅が化学療法抵抗性に関与している可能性を示した。一方で、化学療法後における遺伝子欠失は有意なものは認められず、化学療法抵抗性とは関連性が低いことが考えられた。
次にこの9例についてBRCA1/2遺伝子の変異について解析するために、Oncomine BRCA Research Assay (ThermoFisher Sientific)を用いてBRCA1/2遺伝子のターゲットシークエンスを行い、前年度に解析した各症例のHRDスコアおよびBRCA1/2遺伝子におけるヘテロ接合性の欠失(LOH)の有無と合わせて化学療法前後での変化を解析した。その結果、BRCA1遺伝子の変異とLOHが両方とも認められた症例では、BRCA1/2遺伝子の変異またはLOHが単独で認められた症例に比べHRDスコアが高値であった。また、化学療法後にHRDスコアが顕著に減少した全症例において、化学療法後にBRCA1遺伝子のLOHが消失していた。このことから、化学療法後において化学療法感受性の腫瘍クローンが減少しており、化学療法感受性にはBRCA1遺伝子のLOHが関与していることが考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] DNA repair status and copy number alteration of high-grade serous ovarian cancer change in a treatment course2021

    • 著者名/発表者名
      高矢寿光、中井英勝、坂井和子、西尾和人、松村謙臣
    • 学会等名
      第18回日本臨床腫瘍学会学術集会
  • [学会発表] Homologous recombination deficiency and copy number alteration varies in a course of treatment in high grade serous ovarian cancer2020

    • 著者名/発表者名
      Hisamitsu Takaya, Hidekatsu Nakai, Ayako Suzuki, Yasushi Kotani, Kosuke Murakami, Tamaki Yahata, Masato Aoki, Chiho Miyagawa, Reona Shiro, Mamiko Ohta, Sayaka Kai, Noriomi Matsumura
    • 学会等名
      第72回日本産科婦人科学会学術講演会

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公開日: 2021-12-27  

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