遺伝性難聴に対する遺伝子治療のためには「どうやって内耳への遺伝子導入するか」が重要である。これまでの内耳研究では遺伝子の運び屋としてアデノイド随伴ウイルスベクター(AAV)が使用されてきたが、AAVはセロタイプに応じて標的細胞が異なることが知られていた。今回我々は5種類のAAV(AAV1、2、8、9、Anc80)を成体マウスへ我々が以前報告したRWM+CF法を用いて内耳へ局注した。結果として、AAV2を用いると内有毛細胞へは96.7%で、外有毛細胞へは83.9%の高い効率で遺伝子導入が可能であり、また聴力レベルもコントロールと比較して有意差がなかったことより、安全性も確認された。
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