研究課題/領域番号 |
19K18729
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大畠 和也 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (10778632)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | セロトニン / リボンシナプス |
研究実績の概要 |
昨年度までの研究にて野生型マウスと5-HT3A受容体ノックアウトマウスには内耳形態およびリボンシナプスの数に有意な差がないこと、および5-HT3A受容体ノックアウトマウスでの強大音暴露後の聴覚閾値上昇が有意に高いことを確認できた。今年度は、強大音暴露後でのリボンシナプスの変化を両者間で比較検討を行った。その結果、既報の様に両者ともに強大音暴露後リボンシナプスの減少を認めただけでなく、野生型と比べ5-HT3A受容体ノックアウトマウスの方が有意にリボンシナプスが減少していることが分かった。強大音暴露後のリボンシナプス減少は強大音による内耳障害の一つであり、昨年度に確認できた両者間における強大音暴露後の聴覚閾値上昇を支持する結果であり非常に意義深いものと考えられる。すなわち、5-HT3A受容体の欠損により強大音暴露後の内耳障害が増悪するということが、生理学的実験のみならず、形態学的に証明できたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
強大音暴露後の野生型および5-HT3A受容体ノックアウトマウスにおけるリボンシナプス変化を免疫染色により評価したが、内耳標本の安定した作成および使用する抗体の最適条件の検索ならびに共焦点レーザー顕微鏡による観察条件設定が難しく当初の予定より遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度の方針としては、強大音暴露モデルマウスを用いた5-HT3A受容体刺激薬投与による薬理学的実験を行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね予定通りの支出であったが、若干の繰り越し金が発生したため、次年度の薬理学的刺激実験の物品費等に使用する予定である。
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