頸動脈小体腫瘍は遺伝性腫瘍として知られるが、日本における遺伝学的な特徴は十分解明されていない。本研究では、頸動脈小体腫瘍患者から採取した DNA を解析することにより、4 種類の原因遺伝子が判明した。また、その他のがん関連遺伝子にもDNA の変化を検出した。さらに頸動脈小体腫瘍のタンパク発現の解析を行った結果、一部には遺伝子変異を発症の原因とする腫瘍がある一方、その他の発症原因の存在を示す腫瘍も認めた。本研究グループが今回明らかにした頸動脈小体腫瘍の臨床遺伝学的背景は、今後の研究の発展により新たな治療法の開発に応用できる可能性がある。
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