研究実績の概要 |
好酸球性副鼻腔炎には様々なフェノタイプがあり、我々はこれを解明することにより将来的には治療法を開発することを目標としている。本研究では、まず好酸球性副鼻腔炎症例における副鼻腔局所粘膜でのIgE産生の証明、免疫組織化学によるIgE産生B細胞及びリンパ濾胞形成、濾胞樹状細胞、濾胞型ヘルパーT細胞などの検討、局所におけるIL-4, IL-21,TSLP, IL-33, IL-17 など種々のサイトカイン産生の検討を行う。 現在の研究の進歩と状況としては、好酸球性副鼻腔炎が非好酸球性副鼻腔炎にくらべ局所IgEが高い事が分かった。局所IgEは血中のIgEとの相関はなく局所で産生されているものと考えられる。そのため局所IgEが好酸球性副鼻腔炎病態に何らかの影響を及ぼしているものと考えられる。しかし、好酸球性副鼻腔炎症例の中にも局所IgEが高い症例と引く症例がある事が分かり、病理組織的な変化があるのではないかと考え解析をすすめた。 免疫染色における組織型分類は完了しており、やはりリンパ濾胞や濾胞樹状細胞が多い症例では局所IgEが高い傾向があり、濾胞型ヘルパーT細胞も関係がある事がわかってきた。現在、サイトカインの産生状況について検討をすすめている。サイトカインにおいてはELISAを用いて計測する。 これを総合的に解析する事により、好酸球性副鼻腔炎症例における新たなフェノタイプ亜型分類の確立を目指している。 それを基に今後好酸球性副鼻腔炎における分子標的治療薬指針を作成を目標としている。
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