研究課題/領域番号 |
19K18750
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
白石 功 近畿大学, 大学病院, 助教 (90775660)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 症例数 / 前処理 / タンパク解析 |
研究実績の概要 |
メニエール病は内リンパ水腫によって引き起こされている疾患である。内リンパ水腫の病態は未だ不明であるが本疾患との関連性は強い。この内リンパ水腫に大きく関連しているのが内リンパ嚢である。内リンパ嚢は内リンパを排泄する部位と考えられているが定かではない。よって、メニエール病患者の内リンパ嚢と内リンパ水腫を認めない患者の内リンパ嚢のタンパクを解析することでメニエール病、つまり内リンパ水腫に関連するタンパクを見つけることが本研究の目標である。 2019年度は、本研究の対象となるメニエール病患者と対象群である聴神経腫瘍患者を学会の診断基準に基づいて正確に診断し、めまい治療のための内リンパ嚢開放術をおこない、内リンパ嚢を採取した。目標数である両群20例確保できるように今後も継続して症例数を確保していく予定である。 採取した組織は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所で行う予定である。組織数が集まればまとめて解析を行う予定であるが、これまで行われてきた方法で内リンパ嚢が問題なく解析できるかは不明であるため、内リンパ嚢組織とは違うが、耳手術で得た不要組織をより精度の高い解析ができるように前処理の方法を検討した。 今後は、実際に内リンパ嚢組織を使用して前処理とタンパク解析方法について検討を行う予定である。それが問題なければ1回の解析で定量するために必要な各サンプル数5サンプルが集まれば実際の解析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標となるサンプル数を確保できることが本研究にとって大きな課題となっている。1年目では概ね順調にサンプル数を確保できた。 タンパク解析や前処理の方法については、内リンパ嚢であるから特別な処理や新しい解析方法は不要である可能性が高いため現段階で一般的に使用されている解析方法で問題ないと考える。内リンパ嚢組織では解析していないが、内リンパ嚢と同様のサイズで行った耳組織では問題なく解析が可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
目標となるサンプル数を確保し、できるだけ多い症例数で解析していきたいと考える。 タンパク質の前処理や解析方法は貴重なサンプルであるためより精度の高い方法を実際に行う時まで追求していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
タンパク解析と前処理の検討に対して予想していたよりも費用が掛からなかったために本年度分が次年度に引き継ぐ形となった。組織数が増えればタンパク解析に対する費用もかかるためにタンパク解析費用に使用していきたいと考える。
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