研究課題
若手研究
通常の診察では診断困難な下咽頭癌を早期に診断するため、外来でできるスクリーニングの方法として、下咽頭粘液Liquid Biopsyを検討した。まずは進行下咽頭癌と診断された患者から術前に唾液、うがい液、術中に下咽頭粘液の洗浄液、術後に検体から腫瘍組織と正常組織を採取した。それぞれの検体からDNAを精製し、PCRでTP53遺伝子の増幅を確認した症例をDNAシークエンス解析で遺伝子異常を検索し、その異常が唾液、うがい液、粘液洗浄液に含まれているか確認した。
頭頸部外科
下咽頭癌の場合、遺伝子異常は多岐にわたっているので、遺伝子異常をスクリーニングとして評価するのは難しく、今後癌特有のタンパク質などスクリーニングしやすい物質で評価することを検討していく必要がある。また、うがい液だけではなく唾液など採取可能な検体で評価ができれば、より簡易な検査で下咽頭癌の早期診断が可能になり、医療費削減だけでなく、患者の利益、しいては公共の利益に繋がる。