研究実績の概要 |
アデノ随伴ウイルスを内因性の蝸牛神経シュワン細胞にin vivoで感染させる実験を行った。血清型はAAV2, Anc80を用いて、マウスは後半規管、モルモットは正円窓経由でマイクロインジェクターを用いてインジェクションを行った。ウイルス接種後2週後に組織を採取してレポーター遺伝子GFPの発現を確認したところ、AAV2にのみ非常に弱く神経節細胞での発現を認めたが、Anc80では発現を認めることができなかった。ex vivo(ラセン神経節の器官培養)で培養液中に同様にAAV2, Anc80を添加したところ、血清型AAV2は神経節細胞での強い発現を認めた。AAV2はin vivoでの発現が弱く、AAV9を検証する必要がある。また、脳幹ー内耳の凍結切片を作製し、前庭神経節細胞でのGFP発現も検証したが、前庭神経節細胞でのGFP発現は確認できなかった。前庭神経節細胞の詳細な組織学的解析の過程で、上前庭神経節細胞でのシュワン細胞のNa,K,ATPase alpha subunitはalpha1優位で、下前庭神経節細胞でのシュワン細胞のNa,K,ATPase alpha subunitはalpha2優位であることを見出した。
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