培養上皮細胞を用いた細胞治療は様々な分野で有効性を示しており、これまで治療が困難であった難治性の疾患に対して、飛躍的な治療効果を期待できる。我々は、中耳手術により生じた粘膜欠損部位に自己の培養鼻粘膜上皮細胞シートを移植することで、中耳粘膜を再生する治療法を開発した。動物実験による前臨床研究、ヒト臨床研究において良好な治療効果が得られているが、これまで自家移植後における培養鼻粘膜上皮細胞シートの運命は明らかではない。本研究では、Tg-GFPラット由来鼻腔粘膜上皮細胞シートを免疫不全ラットの皮下に移植し、免疫組織化学的変化を中心に観察することで、移植後の培養細胞の挙動を解析した。
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