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2020 年度 実施状況報告書

CD271陽性がん幹細胞標的治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K18788
研究機関地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所)

研究代表者

藤井 慶太郎  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (30839379)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード抗体治療
研究実績の概要

がんは、異なる性質をもったヘテロな細胞で構築されており、抗がん剤や放射線治療を行っても、治療後に一部の細胞が残存し、再発の原因となっている。近年、がん細胞集団の中でも、造腫瘍能・治療抵抗性・自己複製能・多分化能の高い“がん幹細胞”が存在し、 腫瘍全体の構築に関与するという説が提唱されてきた。ヘテロな細胞集団はこの一部のがん幹細胞から生み出されているとされている。したがって、がん幹細胞を選択的に攻撃できれば、腫瘍組織全体の縮小につながると考えられている。しかし、現在までがん幹細胞を同定した報告がみられる一方で、in vivoでの治療効果を検証した報告例はほとんどなく、がん幹細
胞を標的とした治療法が現実に有効であるかの検証は不十分である。申請者らはこれまで、下咽頭がんが腫瘍形成するためにはCD271(神経成長因子受容体)の働きが必須であり、CD271陽性がん細胞によってCD271陰性がん細胞を含むヘテロな腫瘍組織が構築されることを明らかにしてきた。したがって、CD271の機能を阻害することができれば、腫瘍全体を縮小へ向かわせることが可能であると考えられる。申請者らはこのproof of conceptを得るために、以下の研究計画を立案した。①がん組織からCD271陽性がん細胞のみを除去することで、腫瘍全体の縮小効果が得られるかどうかを、遺伝子操作を用いて検証する。②治療手段とし
て、CD271機能阻害抗体(独自に作成)及びsiRNAを用い、腫瘍縮小効果の検討を行う。③いまだ詳細が明らかでないCD271陽性がん幹細胞の発生メカニズムの探索のため、関連分子のスクリーニングを行い、新たな標的を明らかにする。今年度は治療抗体とするための新規樹立抗体の性状検討を行った。親和性の定量・特異性の確認・applicationの検討を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね申請書通りに進めている

今後の研究の推進方策

新規樹立抗体の治療応用に関して更に検討を進める。

次年度使用額が生じた理由

論文作成にあたって再現性を強固にするために実験の繰り返しが必要になったため、予算を次年度にも残した。

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公開日: 2023-12-25  

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