研究課題/領域番号 |
19K18794
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
井田 翔太 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00814211)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 頭頸部扁平上皮癌 / 循環癌細胞 / HPV / CTC |
研究実績の概要 |
本研究では、頭頸部扁平上皮癌患者において、循環癌細胞(Circulating tumor cells:CTCs)における遺伝子発現やsubpopulationを解析し、その臨床的意義を明らかにすることを目的としている。本年度は、まず該当症例=頭頸部癌扁平上皮癌患者からの検体(血液)の採取を中心に行った。本年度末の時点で頭頸部扁平上皮癌患者60人、またコントロールと して健常人20人から血液検体を採取し、CD45 negative selection法を用いてCTCsを分離し、冷凍保存とした。分離保存したCTCsからmRNA抽出/cDNA合成の過程を経て、real time PCRを用いて各遺伝子発現レベルを確認し、CTCsのgene analysisを行っている。また同症例のサンプルを用いて、 末梢血中を循環する癌関連線維芽細胞の検出法の検討や、末梢血単核細胞分 画の分離を行い、フローサイトメトリーを用いて免疫担当細胞についての解析も並行して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体収集/解析等、概ね予定通りに進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
頭頸部扁平上皮癌患者の中でも、特に中咽頭癌に着目した。中咽頭癌はパピローマウィルス感染により発癌を惹起されたHPV関連中咽頭癌と、それ以外のHPV非関 連中咽頭癌に分けられるが、HPV関連中咽頭癌に置いては、HPV非関連頭頸部扁平上皮癌と比し、予後や転移形式、また治療効果等に生物学的な差異が存在し、現 行のTNM分類に置いても異なる分類法となっている。前述した頭頸部扁平上皮癌患者60人の内、半数の30人はHPV関連中咽頭癌症例であり、同疾患とHPV非関連性 頭頸部扁平上皮癌症例のCTCについてgene analysisを行い、そのcharacterを比較することを検討している。また、臨床因子や予後データとの関連についても解析を予定している。
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