研究課題
若手研究
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の症状を評価するための問診票を作成し、その結果をもとにPPPD患者のサブタイプを同定した。PPPDにおける既存の平衡機能検査所見をまとめ、PPPDに特異的な新たな検査を導入した。機能的MRIを用いて、PPPDでは前庭覚の情報が適切に利用されにくくなっていること、視覚野と空間認知領域ならびに視覚野と前頭前野とがそれぞれ連動することで、視覚刺激による症状増悪とそれに伴う不安症状の増強を引き起こす可能性があることを明らかとした。
神経耳科学
全めまい疾患の4分の1程度を占めるとされるPPPDにおいて、見逃しなく的確な診断をすること、その病態を解明し治療につなげることは、急務である。本研究で作成した、症状を数値で評価できるスケールは、重症度評価やスクリーニング検査として有用であり、PPPDに特異的な検査の導入は、的確な診断に役立つ。本研究によりPPPDの病態の一端が明らかとなったことで、今後より効果的な治療法が考案されるための一助になったものと考える。