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2022 年度 実績報告書

頭頸部扁平上皮癌を高悪性化させるRNAスプライシングバリアントの同定

研究課題

研究課題/領域番号 19K18804
研究機関大阪大学

研究代表者

北村 公二  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40804365)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード頭頸部扁平上皮癌 / RNAスプライシング / スプライシングバリアント
研究実績の概要

頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)の発癌の分子メカニズムの解明は進んでいるが、その悪性度を規定する分子メカニズムは分かっていない。我々はスプライシング制御因子SF3B2を強制発現させた細胞株を用いて、SF3B2高発現が細胞や腫瘍増殖能を亢進させることを見出した。これはSF3B2によってHNSCCに発現するRNAスプライシングパターンが変化しHNSCCの悪性度を増大させることが示唆された。そこでSF3B2高発現細胞株とノックダウンさせた細胞株でどのような遺伝子発現の変化が生じているのか解析したところ、SF3B2発現量の増減でがん関連シグナル伝達経路(Ras/MAPKシグナル経路)やミトコンドリア電子伝達系、転写調節領域の遺伝子発現変化に関与することが示唆された。さらにPAR-CLIPを用いてSF3B2がmRNAのどの部位に結合し遺伝子発現を変化させるか検討したが、HNSCCを高悪性化させるスプラシイングバリアントの同定には至らなかった。しかし、CUT&TAG、PRO-seqによってSF3B2がクロマチン領域に結合し、転写制御に関与することで遺伝子発現を調整する役割をもつことが示唆された。さらにTAP-質量分析の結果からSF3B2はSMC1AおよびCTCFの転写活性を調整し、SF3B2が結合する領域にコヒーシンをリクルートする役割をもつことが示唆された。これらの分子メカニズムがSF3B2を高発現しているHNSCCの高悪性化に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Dual function of SF3B2 on chromatin and RNA to regulate transcription in head and neck squamous cell carcinoma2022

    • 著者名/発表者名
      Kitamura Koji、Suzuki Hidefumi、Abe Ryota、Inohara Hidenori、Kaneda Yasufumi、Takahashi Hidehisa、Nimura Keisuke
    • 雑誌名

      Cell & Bioscience

      巻: 12 ページ: 92

    • DOI

      10.1186/s13578-022-00812-8

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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