頭頸部扁平上皮癌は喫煙、飲酒が原因となり発生する予後不良な疾患である。近年、ゲノムワイド関連解析が行われるようになり、がん抑制遺伝子p53などの遺伝子変異がHNSCCの発癌に関連することが明らかにされつつある。しかし、HNSCCの悪性度を規定する分子メカニズムについてはまだ不明である。そのため、HNSCCの治療はその解剖学的進展度に基づいて行われ、分子生物学的な悪性度に応じた治療法は確立されていない。本研究ではHNSCCを高悪性化させる分子メカニズムの一端を明らかにしたことで新たな治療法の開発につながる意義ある研究であったと考える。
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