研究課題
近年、分子標的治療に加え、免疫チェックポイント阻害薬が登場し、頭頸部癌治療における選択肢が増えている中、治療方針の最適化に有用なバイオマーカー検索が一層重要となっている。特に免疫療法が広がるにつれて、従来まで解析の中心であった癌細胞の性質のみならず、腫瘍局所の免疫的癌微小環境の果たす癌の進展・排除への役割が着目されている。一方、患者ごとに異なる腫瘍ならびに微小環境の特性を細胞間の詳細な相互作用まで解析するためには、数多くのマーカーを組織構造情報を保ったまま、定量的に評価する必要があり、現状の様々な組織イメージング法では解析可能なマーカー数の制限や、処理による組織構造の喪失、解析に要する費用・設備などの制約が存在し、困難である。これらの技術的制約を解決し、癌細胞の悪性形質とその組織上での偏りと免疫細胞の分布・組成・性質を含む癌微小環境の特性の両者を同一組織上で同時に解析できれば、両者にどのような相関があるか、その両者を複合的に解析した腫瘍特性はよりよい予後予測因子となるか、という課題にアプローチ可能となり、頭頸部癌の層別化治療に寄与する詳細な組織バイオマーカー確立につながり得る。本研究では、上記の手法の新規性と優位性に基づいた独自性と創造性を活かして、1)癌細胞と微小環境中の免疫細胞の両方の細胞密度、分布、性質、位置関係を包括的に解析する技術的基盤を構築し、2)癌細胞側の性質や不均一性と免疫細胞の分布・組成・性質との相関の有無を調べ、3)それらの予後的な意義を検証することを目的とし、新規組織バイオマーカー探索への基盤構築を目指す。
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