研究課題/領域番号 |
19K18820
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
細矢 慶 日本医科大学, 医学部, 助教 (20557508)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アレルギー性鼻炎 / 制御性T細胞 / 核内受容体 / RORa |
研究実績の概要 |
本年度は、新型コロナ感染症の影響が多大にあった年となった。 内視鏡下鼻副鼻腔手術をおこなうことで医療従事者の新型コロナ感染症の感染リスクが高まると海外から報告された。さらに新型コロナ感染症患者数の急激な増加に伴い、PPEなどの資材を保護するという観点も併せて日本耳鼻咽喉科学会より緊急性のある腫瘍や急性炎症疾患をのぞき手術を延期するようという通達があった。そのため、令和2年6月まで内視鏡下鼻副鼻腔手術はすべて中止および延期となり、サンプルの採取は6月まで全くできない状況におかれた。さらに、4月から勤務先が変更になったため、新たな勤務先で研究に関する倫理委員会への申請が必要になり、書類の申請手続きをおこない実施の許可を得た。7月から手術が再開され、新病院にて、昨年度に検証していた手術時間に最も影響を与えない採取方法、つまり下鼻甲介前端からの粘膜採取方法にて、検体の採取を再開した。マイクロアレイ解析を行うことのできるサンプル数に令和3年の前半には到達する予定である。手術患者の血液も同時に採取し、サンプルから制御性T細胞を分離し、フローサイトメトリーで純度の確認も併せて行う予定である。標本作成方法の検討は勤務病院が移動になり勤務先に器械がないことおよび新型コロナ感染症で移動制限があったため、本年度は検証ができなかった。作成方法については、非脱灰凍結標本作製方法の検証を来年度に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の流行は想定していたが、想像を超えた影響であった。 手術が半年程度中止になり検体採取の遅れがでたのが最も大きな理由である。最も勤務先の移動に伴い研究室には移動が必要になったが、新型コロナ感染症影響で移動に制限がついたことも一因である。
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今後の研究の推進方策 |
下鼻甲介粘膜の採取を引き続き行う。mRNAに変換し、マイクロアレイによりアレルギー性鼻炎患者と非アレルギー性鼻炎患者の違いを調べる予定である。 手術患者から血液サンプルを採取する準備が整った。磁気ビーズを用いて制御性T細胞を分離し、フローサイトメトリーにて純度を確認する予定である。 非脱灰凍結標本作製方法についてはまだ工夫の余地があり、再検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
マグネットによる制御性T細胞を抽出し、フローサイトメトリーにて純度を評価する実験系をスタートする予定であったが、新型コロナ感染症の流行により実験環境が整わずに必要器具の購入時期を見直したため。次年度には必要機器を購入し実験を開始する予定である。
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