緑内障の手術成績向上のために、本邦発の医療機器である前眼部偏光OCTを活用し、家兎線維柱帯切除術後の濾過胞の瘢痕化を複屈折値として非侵襲的に定量化した。その後、摘出した濾過胞の組織学的所見との関連性を検討した。複屈折値と組織切片のコラーゲン密度には強い関連性を認めた。また既知の瘢痕抑制薬を使用した家兎線維柱帯切除術では、眼圧下降作用が長期に継続し、前眼部偏光OCTによる複屈折値が術後低値であり、摘出組織切片のコラーゲン密度が減少していた。以上より前眼部偏光OCTによる濾過胞瘢痕化の定量評価可能なバイオマーカーを確立し、瘢痕抑制薬の薬効評価に活用可能であることを明らかにした。
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