研究課題
滲出型加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は、網膜中心の黄斑部に生じる新生血管からの滲出性変化、出血を特徴とする進行性の疾患で、先進諸国においては特に失明原因として重要な疾患である。本邦においても患者数が増大しており、今後も高齢社会の進行に伴い、患者数のさらなる増大が見込まれている。AMDはこれまでは眼球中央部の黄斑部に限局した病変と考えられ、既存の治療も光線力学療法や眼球内への薬剤投与など眼球のみをターゲットにしたものとなっている。本研究は眼球の範囲を超えて全身の自律神経機能異常がAMDの病態に関与しているとの仮説を検証することとしている。これまでに、起立負荷試験の手法を用いてAMD患者と対照健常者の自律神経の働きの差異について検討し、AMD患者では対照健常者と比較して交感神経反射が低下しているという結果を得ている。
3: やや遅れている
AMD患者と対照健常者の自律神経機能を測定し、比較検討することができたが、COVID-19感染拡大の影響もあり、被験者の数が当初予定より少数に留まっている。
さらに検討数を増やし、これまでに得た結果を補完する。
被験者の人数が当初想定より集まらなかったために次年度使用額が生じた。次年度も継続して被験者を得て検討数を増やす予定である。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Scientific Reports
巻: 11 ページ: 4629
10.1038/s41598-021-84204-x.