研究課題/領域番号 |
19K18838
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 洋如 東京医科歯科大学, 医学部眼科学, 助教 (80750786)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 光干渉断層計 / 病的近視 / 硝子体 / 網膜剥離 |
研究実績の概要 |
本研究は近視性牽引黄斑症に対する新規低侵襲レーザー治療法の開発を目的としている。初年度である本年度は、本研究の倫理審査、研究データベースへの登録を行った。本研究は、近視性牽引黄斑症患者の眼底にレーザーを照射するという医療行為を含めていることから、介入および侵襲を伴う特定臨床研究に準ずる非特定臨床研究と位置付けられた。認定臨床研究審査委員会および実施施設である東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会にかかり、承認を得て、臨床研究実施計画・研究概要公開システムに登録・公開された。 また、強度近視眼の眼底を超広画角の新規光干渉断層計で検査することは、レーザー治療に先駆けて多数例行っており、臨床研究への組み入れの基準を満たすかの判断を行った。その中で、強度近視眼における硝子体の形状変化について、多数例で検討した。その上で、病的近視眼では、正常眼では見られないような形状で硝子体が網膜から分離する後部硝子体剥離が発生し、さらに硝子体は網膜血管の癒着を残しながら、網膜を牽引していることがわかった。そして、硝子体による網膜血管への癒着は近視性牽引黄斑症の発症と有意に関係していることがわかった。以上の結果を、国際学会および国際学術誌に報告することができた。 さらに、近視眼にて、正常眼より高頻度で発症する網膜剥離という疾病について、その重症例において、本研究と同様の超広画角光干渉断層計で検査を行い、従来よりも優れた治療をすることができた。その治療経過について国際学術誌に症例報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は臨床研究として、厚生労働省医政局管理の臨床研究実施計画・研究概要公開システムに公開され、対象患者の組み入れ登録が可能となった。さらに、多数の病的近視患者の超広画角光干渉断層計検査を実施することができたため、今後研究対象患者を基準に照らし合わせ、組み入れることが容易になった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本臨床研究の組み入れ基準である1)少なくとも一眼が強度近視であり、眼軸が26.5mm以上、近視性牽引黄斑症を有する患者、2)専門医の判断により将来的に視力低下が起こる可能性が高い患者、3)20歳以上を参照し、適合した患者に対する治療を開始する。治療後6ヶ月目を有効性を評価する時点として定めており、次年度中に治療が開始される予定である。
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