本研究は広角光干渉断層計(OCT)による観察とNd:YAGレーザーによって、近視性牽引黄斑症を低侵襲に治療する方法を開発することを目的とした。 まず、広角OCT検査を受けた601名の強度近視患者を対象に、硝子体の網膜表面への癒着と近視性牽引黄斑症の発症との関係を後ろ向きに調査した。次に視力低下を来した5名の患者を対象にNd:YAGレーザーにて網膜の内境界膜を切開し、術後の視機能と網膜形態を前向きに評価した。 後ろ向き研究により、硝子体の網膜血管への癒着が近視性牽引黄斑症に有意に関係することがわかった。さらに前向き研究により、内境界膜を十分に切開するには正確なレーザーシステムが必要であるとわかった。
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