研究課題
若手研究
日本人先天赤緑色覚異常の視物質遺伝子解析を行った。対象はアノマロスコープで診断された1型2色覚2例、1型3色覚4例、2型2色覚9例、2型3色覚11例。77%(20/26)で表現型と遺伝子型が一致したが、6症例はアノマロスコープの診断と遺伝子型が異なった。6症例については遺伝子解析で色覚異常の原因が明らかにならなず、新規の遺伝子変異は見つからなかった。視物質遺伝子の多様性が示唆された。
眼科
先天赤緑色覚異常はX連鎖性潜性遺伝で日本人男性の20人に1人の割合で認められる。現在有用な治療法はなく、色覚特性も個人差が大きく眼科診療のなかでは正確な指導を行うことが難しい疾患である。臨床ではアノマロスコープによる確定診断が確率されているが、色覚異常のメカニズムを遺伝的観点から解明することは、重要である。本研究で解析された日本人先天色覚異常の遺伝的多様性が、将来治療につながる可能性がある。