研究課題/領域番号 |
19K18845
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
藤田 智純 香川大学, 医学部, 協力研究員 (90448366)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 網膜光凝固術 / ショートパルス |
研究実績の概要 |
網膜光凝固術は非常に古典的な治療方法であるが、今なお網膜疾患の治療としては非常に有用なものである。近年、Semiautomated patterned scanning laser for retinalphotocoagulation (以下PASCAL)という新しい概念の網膜光凝固装置が開発され、最大の特徴は、単発発振ではなく、数発から数十発を連続発振できることにある。その短い照射時間のゆえ脈絡膜への熱伝達がおさえられ、患者の負担を大幅に軽減させることができる。しかしながらこれまで、網膜光凝固班の術後評価方法は照射後の凝固班の色、大きさなど視覚的にのみ評価がされてきており、至適条件は確立していない。視覚的には同じ凝固班であっても、レーザーの照射条件を変えることによって遺伝子発現に差異があることを証明し、遺伝子レベルからみた網膜光凝固術の至適条件の決定を企画する。さらには、ショートパルスによる組織選択性のある凝固でのみ発現する遺伝子を同定できる可能性があり、新たな研究に発展する可能性も含んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスを2 群に分類し、それぞれに従来のパルスとショートパルスを用いて網膜光凝固術を施行する。全てのマウス網膜から網膜光凝固術後、1 時間、3 時間、6 時間、12 時間、24 時間、3 日、7 日において網膜からRNA を抽出し、DNA マイクロアレイ(Wholemouse)を用いて各タイムポイントでの2 群間の遺伝子発現を比較する。発現差のある遺伝子を選択しRT-PCR で確認のうえ、実際のマウス組織にて免疫染色で発現部位を調べる準備中。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルス感染拡大で困難も予想されるが、遅れてはいるものの可能な限り、申請書の研究計画の流れに沿って研究を進める。1年前と比較して研究体制は格段に整ってきている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究準備に期間を要したため。次年度に予定通り使用する予定である。
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