研究課題/領域番号 |
19K18851
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 芽里 自治医科大学, 医学部, 助教 (10646342)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベーチェット病 / インフリキシマブ |
研究実績の概要 |
ベーチェット病診療ガイドライン2020の、ベーチェット病眼病変治療アルゴリズムには、眼発作抑制の治療として、コルヒチン内服や低用量ステロイド内服で臨床的緩解が得られず、視機能低下リスクが高い場合、TNF阻害薬(インフリキシマブまたはアダリムマブ)投与を行うと記載されている。そこで臨床的緩解が得られれば、治療を継続するという方針になっている。CQ2には、眼発作が消失した患者では、インフリキシマブの投与間隔を延長することは可能かという項目があり、推奨としては投与間隔の延長は基本的には行わないが、リスク・ベネフィットを十分に勘案し、判断することを提案するということになっている。ベー チェット病患者におけるインフリキシマブの有効性は、血中濃度と相関するという報告があり、長期的な有効性を保つためにも血中濃度を維持することが重要と なる。また、一般的に、生物学的製剤に対する、抗体は、薬剤の有効性を減弱させる要因と考えられており、その出現率は、薬剤血中濃度が低いほど、抗体は高くなることが示唆される。 そこで、インフリキシマブの血中濃度および中和抗体測定を行うことにより、投与間隔のオーダーメイド化を図る。(基準は8週間隔である)。それによって再燃を防ぐのみならず、8週間以上投与間隔をあけられる患者の、投与及び通院の負担を軽減させることができる。体格や併用薬によって、それらが予想できるかどうかも同時に測定していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インフリキシマブ投与時のインフリキシマブ血中濃度および中和抗体測定を株式会社ケーエーシーに発注していたが、コロナウイルス感染拡大の影響などもあ り、やや遅れている。令和5年4月に東京で行われた、日本眼科学会総会で、現在の状況について発表した。(自治医大眼科におけるベーチェット病ぶどう膜炎の治療の検討)
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今後の研究の推進方策 |
インフリキシマブ投与中の患者のインフリキシマブ血中濃度および中和抗体測定を継続し、解析を続ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
インフリキシマブ血中濃度および中和抗体の解析をもとに発表する予定だったが、検体が増え、分析の結果が遅れており、現在も進行中である。データ解析を進め、翌年の眼炎症学会もしくは日本眼科学会総会で発表予定である。
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